katayamari's blog

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あいち終わる
あいちトリエンナーレが終わってしまいました。

振り返ると昨年の今頃は上京したばかりで、
トラウマリスでの2人展、パルコのシブカル祭、伊勢丹のKISS THE HEART#2、大学の講演などと
私の人生では類を見ないモテ期を過ごしていたにも関わらず、
プライベートでは恩師の訃報を受けあまりのショックに1週間の自宅遭難をし、
脱水状態に陥り緊急入院、即行実家に出戻りをするという情けない晩秋を過ごしておりました。
そんな時にお誘いを戴いたのがあいちトリエンナーレ2013でした。
それから1年、当たり前のように制作をして、当たり前のように搬入、設営をし、当たり前に会期が終了しましたが、
振り返れば、様々な方にお手伝い頂いたり、恐ろしくなるほどタイミングよく物事が起こったり、
そんな全てのおかげで、今までそうだと信じていた展示空間を作る事が出来ました。本当に感謝しています。
当たり前のことなんて何も無く、全てが奇跡と優しさををひとつひとつ確認するような作業であったと思います。
そしてこれからも、毎日の奇跡を、チャーミングなものを大切に見落とさないように生きていきたいです。


この1年は、私にとって自分の活動を再確認するような期間でした。
16歳から美術の世界を知って、ちょうど10年。自分が誰と出会って、何をしてきたか。
懐かしい匂いや日差しにかさねて、毎日毎日思い出して過ごしました。
全ての作品が揃った自室で撮影したセルフポートレートは、
全てのモノローグであり、プロローグであり、エピローグでもありました。
これが私の全てですし、これからに続いていくことでしょう。

全ての皆様に感謝の気持ちを。
ご来場くださいましたお客さま、運営関係者の皆様、飯田さん、堀江さん、拝戸さん、
そして制作では大変お世話になりました、天野さん、キャノンの渡邊さん、松岡さん、
スーパーファクトリーの佐野さん、粕谷さん、ラボ東京の仁科さん、
いつも見守ってくれる智恵さん、西山さん、そして、制作から設営、搬出まで全てをサポートしてくれた山田さん、
本当にありがとうございました。

どうでもいいことなのですが、私の長年の夢はミュージカルのフィナーレです。
いつか皆に出て歌ってもらいたいのです。



『untitled』壁画(2013)部分


作品整理が済み、私の中の『あいちトリエンナーレ2013』が終わったので出品作の紹介をしようと思います。
残念ながら今回の出品作は新作を含め今後発表する予定はございません。
でも、WEBにそのまま載せることも出来ないので、
会場を観てくださった方にはこれを読んであいちトリエンナーレを思い出してもらいたいですし、
観ていない方も、色々想像してもらえると嬉しいです。



(会場写真:Takeo Yamada)


会場ではまず、『ballet』、『veil』と2枚の大きなセルフポートレートと、
『siren』というタイトルの映像作品が投影されています。

『siren』についてですが、タイトルの通り、これは海の男たちを美しい歌声で惑わす海の怪物セイレーンをイメージしています。
ハイヒールを履いた巨大な義足が壁全面に投影され、ぐるぐるとサイレンのように現れ、消えてゆくもので、
義足をサンプリングした足音はクローゼットの奥から不気味に響きます。

今回のあいちトリエンナーレのテーマは「揺れる大地ーわれわれはどこに立っているのか:場所、記憶、そして復活」でした。
われわれはどこに立っているのか?という問いに対して私なりに『地面との距離に立っている』と、答えが浮かびます。
私はハイヒールを履くと190cmを越える大女になります。いわゆる巨女。
新宿の街をハイヒール姿で歩いた時に気付いたのは、誰とも目が合わない状態でした。
背の高い人も、背の低い人も、みんな同じに見えて違いが分かりません。
その視点は、義足を使用せず膝立ちの状態でも同じように作用します。その距離に、我々は立っているように感じます。




『ballet』セルフポートレート(2013)部分


今回、大きなセルフポートレートは全て、パネル貼りのプリントを壁に直接打ち付けて固定し、
その上に手作りの額を貼っています。
額はベニヤ板を5cm幅に切って、紙粘土とアクリル絵の具で作りました。





『veil』セルフポートレート(2013)部分。


納屋橋の会場付近は名古屋城の城下町として、花街が栄えたという話を聞きました。
その名残なのか、大手企業のビルが立ち並ぶ丸の内から一本小道に入れば、そこにはちょっと廃れた風俗街がありました。

会場下見に行った去年4月、夜の街を歩くと、
シャッターばかりの風俗街に、光に照らされた女性が1人立っていました。
彼女はまだ寒い夜なのに、露出度の高い服に身を包み、最近ではあまり見かけないアフロヘアーに濃い化粧をして、
かすかに震えているように見えました。
彼女を照らす光の正体は車のハイビームで、若い男が運転席に、後ろに同じような派手な格好をした女性が乗っていました。
次は彼女たちの番なのかと思いました。
チカチカと消えたり付いたりするネオンと、ハイビームに照らされキラキラ光る震えた女性。
私はドキドキしながら道を通り過ぎました。

セルフポートレート『ballet』のビジュアルイメージは彼女です。
ツヤツヤのアフロヘアーに、身体をぎゅうぎゅうに締めたコルセット。彼女は今もあの街に立っているのかしら......。




『ballet』セルフポートレート(2013)の部分。







『oil work』瓶詰め(2005-2013)

今回何点出品したのでしょうか。数えていないのですが、2005年から2013年まで制作した全てを展示しました。
光の透けた感じをどうしても出したかったので(というのも普段は窓際に飾って、朝陽や夕陽を透かせて楽しんでいたから)、
75mの電飾を棚に這わせて展示をしました。





『oil drawing』(2007)

これは金色に塗ったキャンバスをベースに、蝋、ビーズ、うがい薬、シール、タイルなどを使って描いた絵です。
家ではいつも、一番目立つところに飾っていますした。

この作品もそうでしたが、初めて会場下見に来たときに、全ての作品の展示場所がその場で決まりました。
ここには大きな写真を置いて、ここにはoil work……と、まるでこの部屋に招かれているような気持ちになりました。




『mirror』セルフポートレート(2013)





『eyes』(2013)

目のモチーフは『eyes』の他に『ballet』、『veil』などのセルフポートレートでも出てきます。
沢山の目は、人々を監視し、ふるい分ける目ではなくて、あたたかかく見守ってゆるしを与えてくれる目です。





『ophelia』セルフポートレート(2013)、『yellow coffin』(2010)部分




『イワシ漁天蓋』(2012)、『ophelia』(2013)部分

『ophelia』はその名の通り、オフェーリアです。
元々オフェーリアが好きだったということもありましたが、時代を反映するような会場と女性というのが重なって、
今回のあいちトリエンナーレ出品作は今までのセルフポートレートと比べて、
色っぽくて、力強くて、優しくて、繊細な作品になったのではないかなと思います。

以上、今更感満載の出品作、会場紹介でした!
もっと書きたい事は沢山あったのですが、続きは今度会ったときに。
 
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